2026/06/09 08:04

水声社より出版されたミヤタタカシの新作、水の記憶をめぐる物語「私の中の水」
水声社より 水のめぐりに想いを馳せる少女の、広大なスケールの心象世界を描いた作品。
静謐な文章にのびやかであたたかみのある絵が合わさった、大人も子どもも楽しめる内容です。
水声社より 水のめぐりに想いを馳せる少女の、広大なスケールの心象世界を描いた作品。
静謐な文章にのびやかであたたかみのある絵が合わさった、大人も子どもも楽しめる内容です。
題名: 私の中の水
著者: ミヤタタカシ / Takashi MIYATA
仕様: A4横 ハードカバー
項数: 48ページ
価格: ¥2,200(税込)
出版: 水声社
仕様: A4横 ハードカバー
項数: 48ページ
価格: ¥2,200(税込)
出版: 水声社
印刷: 精興社
発刊: 2025.10/30
「私の中の水」創作話

ミヤタ「初めは水が気になって、身近にある水をボーっと眺めて観察したり、鉛筆で形を描いていました。波の水しぶきや、川面の光、雲の中に様々な発見がありました。例えば、子供たちと川で遊んでいるときに、川の水を足で蹴って歩いていると、その水しぶきがカエルの足に見えたり、浜辺に打ち寄せる波を眺めていると、その中に馬や鳥などの生き物の形が一瞬現れては消え、現れては消えるということが起こり始めました。」
――水が生き物のように見えてきたんですね。確かに、作中で描かれている水はまるで動いているように生き生きとしていますね。
ミヤタ「そうですね、生き生きとしている姿を描きたいと思っていたので、そう感じてもらえたのは嬉しです。元々、創作のための探求物として「記憶」というのがあって、その「記憶」がどこからきているのかがとても気になっていたんです。例えば、生命や植物は最初はとても小さな粒から生まれて、様々な記憶なのか情報なのかを物質化させているじゃないですか。まあ、それらの情報はDNAに記録されているとも考えられますが、DNAだけではなくあらゆる物質にも記憶があるのではないかという感覚もありました。水が様々な生命や植物の中を通って循環したことで、その形を記憶したのか、元々その記憶を持っていたのかはわかりませんが、水と記憶にとても重要なつながりがあるのではないかということで、今回の作品の着想が生まれました。」
――なるほど、とても興味深いですね。作中に出てくる少女がいますが、なんとも言えない表情をしています。こちらのキャラクターはどのように生まれたのですか?
ミヤタ「水のスケッチを描いている時期に、同時並行で生命や植物も描いていました。人体を観察して描くときは、自身の手足や顔を描いていたのですが、それでは限界があるので、身近にいた妻や娘も描いていました。水の曲線的な柔らかさと、女性が持つ身体的な特徴が男性の身体よりも近いように感じました。描く過程で、水に女性性を感じていったのかもしれません。」

――確かに生命が海から生まれたとしたら、母胎のような役割ですね。今回の作品の中で出てくる水の質感が技法とマッチしているように感じたのですが、何を使って描かれたんですか?
ミヤタ「すべての場面を画用紙にアクリル絵の具で描いています。自分なりの水の質感が出るように色々と試行錯誤するのが楽しかったですね。書籍はA4見開きサイズですが、原画は767mm×270mmと少し大きめのサイズで描いているので、個展などで見てもらえると嬉しいですね。」

――出版はどのようにして決まったんですか?
ミヤタ「実は初めに別の出版社から依頼があり、乗り物をテーマに描いてくれと言われたんです。でも描いているうちに全然しっくりこなくて、自身が描きたかったテーマを完成させて見てもらったところ、編集者の人に、『うちでは出版できないけど他の出版社に知り合いがいるから聞いてみると』言っていただいて、確認してもらったところ『これは、現代アートの文脈で描かれているからうちでは出版できない』と返事が来ました。」
つづく
・ミヤタタカシ / Takashi MIYATA
https://takashimiyata.studio.site/
広島を拠点に、作品制作を中心に活動する芸術家です。国内外の画廊や美術館にて作品発表を行い、広島県呉市の御手洗町並み保存地区での滞在制作(アーティスト・イン・レジデンス)への参加や、広島県立美術館での製本講座等も手掛けました。その他にも、学校施設の壁画、包装紙、病院の待合室や小児病棟の遊び場、書籍の装丁などに作品を提供してきました。身近な日常の風景、落ち葉や路傍のひび割れ、水滴や木々の揺らぎの中にある小さな発見を通し、物語や作品へと転換させています。
広島を拠点に、作品制作を中心に活動する芸術家です。国内外の画廊や美術館にて作品発表を行い、広島県呉市の御手洗町並み保存地区での滞在制作(アーティスト・イン・レジデンス)への参加や、広島県立美術館での製本講座等も手掛けました。その他にも、学校施設の壁画、包装紙、病院の待合室や小児病棟の遊び場、書籍の装丁などに作品を提供してきました。身近な日常の風景、落ち葉や路傍のひび割れ、水滴や木々の揺らぎの中にある小さな発見を通し、物語や作品へと転換させています。

・水声社 / Suiseisha

水声社は、フランス文学を軸に、幻想文学などの作品や評論の翻訳などを出版する日本の会社です。
